あつみらしさ

ひかえめな佇まい

ずっと前からその場所にあったように感じる佇まいが理想だと考えます。だからこそ、飽きのこないシンプルで素朴なかたちを目指すのだと思います。近隣・敷地に対して馴染む建物の高さと外壁。そこに美しい屋根が設計できると、日本の風景にとても馴染みます。佇まいを意識した外観には品格を感じることができ、時間を超えて愛されるのです。

ひかえめな佇まい

ひさし・深い軒(建築のよい、ふつうの一例)

機能性でみると、ひさしは傘です。傘は身体(外壁)を雨風から守る役割ですから、数年後ひさしがあるとないとでは外壁の汚れ方を比べれば一目瞭然です。夏は日傘として日差し遮る役割を果たし、窓・外壁からの熱の侵入を抑えてくれます。デザインとしては、ひさしの下に影ができますので建物に陰翳感を与え、情感のある外観を演出し、また建物の高さを低く見せる効果から威張らない、謙虚な雰囲気を醸し出してくれます。

ひさし・深い軒

ほっとする居場所

居場所とは、さりげなく人を支えるような場所と考え、柔らかく暖かい空間になることを心がけています。そのエッセンスとして光と影のバランスは大切です。大きな窓を設け出来るだけ明るくするのではなく、窓のサイズと位置の関係、縁側、障子などを用いて落ち着きのある光と影を室内に与えます。また建物と住む人が親密な関係になるよう例えば、肌が触れる床、建具などには杉、ひのきといった肌触り、香りが気持ちいい素材を使い、心身ともに休まる空間をつくります。

ほっとする居場所