施工事例

やさしいばしょ(医院)

出会い

工務店勤務の最後に携わったのが施主のご自宅。それから数年後、夜中に仕事していると一通のメールが。独立開業されること、そして医院を建てるなら弊社に依頼することを初めから決めていたという内容。驚きとうれしさから夜中でしたがすぐ電話したところから始まりました。

プロセス

普段、患者として利用している病院・医院の建物に対して色々思うことがあります。詳しく記しませんが、そこから導き出したコンセプトは、“静かで、あたたかな場所”。外観は建物の高さを抑えひさしを廻すことで大きく見せず、こうべを垂れるように患者さんを招き入れるイメージです。また建物とは硬いイメージですが、やわらかく親しみを感じてもらえるように外壁の素材、色にも配慮しています。室内へは靴を脱いで素足ですごす方式。直接床に触れ、素足で居ることと、靴やスリッパで居ることは日本人にとって建物との親密さが実は全く違うからです。室内空間は建物と患者さんの“心の温度”にブレが出ないように意識しデザイン、素材を決めていきました。開業後、ここで働く方からこんな感想をいただきました。過去に務めていた病院では待合室で母親と一緒に来た子が早く帰りたいと泣いる子が常にいたそうです。しかし、ここに来た子で泣く子はなく、皆笑顔で遊びまわっているそうです。一番の誉め言葉だと勝手に解釈しております。