施工事例

坪庭のある平屋(新築)

出会い

当初は大手ハウスメーカーに依頼しようとしていたお施主様。娘さんが弊社設計の医院(産婦人科ゆずり葉)に通院していました。その時医院の建物を気に入って頂けたのがご縁でした。

プロセス

初めて建設地を訪れたとき頭を抱えました。東西の間口が狭く、建物同士が窮屈そうに建つ住宅地。さらに地面の高さが隣地3方向より低い傾斜地。密集地のためプライバシーが確保しづらく、さらに隣地から見おろされる形。また傾斜地は道路と段差ができるため車(4台分)をどう乗り入れ、駐車すればよいかと課題ばかりが浮かび上がりました。

ご夫妻の終の棲家となる平家。寝室は別々、お互いが自分のペースで過ごせる大人の住まいがご夫妻のご要望。その他、多趣味の道具収納スペース、娘さん家族が泊まれる部屋、トイレは2か所、釣った魚を台所以外でさばける場所、4台の駐車場など。敷地に対して思ったよりスペースが必要です。そしてプライバシーの確保も。

その中で一番悩んだのは浴室の窓。実は旧ご自宅の浴室は天井裏のような場所にあり、窓を開けたまま入浴できる解放的空間。しかし今度の立地では窓を開けてしまうとお隣さんから見下ろされてしまいます。窓を開けるどころか無くした方がよい敷地条件。ご夫妻も旧ご自宅のような解放感は最初からあきらめておられました。しかし、その窓から多くの課題を解決する糸口をたぐり寄せました。その答えは中庭でした。詳しくは動画で。

家づくりの期間はコロナ禍、ウッドショック、物価高と目まぐるしく変わる世の中の情勢に不安もあったと思われます。しかし、ご夫妻はそんな素振りは見せず、どっしりと構え信頼を寄せて頂いたことで私も職人も、落ち着いて設計・施工することが出来ました。ご夫妻の懐の深さに人生の先輩としても勉強になりました。